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進捗管理(進度管理)


「進捗管理(進度管理)」について説明します。


進捗管理(進度管理)とは


進捗管理とは、仕事の進行状況を把握し、日々の仕事の進み具合を調整する活動です。
進度管理又は納期管理ともいいます。


進捗管理は、進度管理や納期管理とも呼んでいます。


「進捗管理」は、「JISZ8141-4104」に、次のように定義されています。
「進捗管理」とは、
「仕事の進行状況を把握し、日々の仕事の進み具合を調整する活動。進度管理又は納期管理ともいう。」


つまり、
「日程計画」に対して生産が遅れているかをチェックして、遅れている場合は対策をおこない遅れを取り戻すことです。


進捗管理(進度管理)の目的


進捗管理(進度管理)の目的について説明します。

  • 納期の維持
    当然、「納期」を守ることです。

  • 生産速度の維持と調整
    納期を守る為に作業を計画より先行しておこなうと仕掛在庫が増加します。
    原価を圧迫します。
    その為には、「生産リードタイム」を考えて「仕掛在庫」を少なくするように適切な時期に生産する必要があります。
などです。


進捗管理(進度管理)のやり方


進捗管理(進度管理)のやり方について説明します。

進捗管理(進度管理)は次のような流れになっています。

  1. まず、「進捗の状態」をつかみます。

    • 「ロット生産」では「ガントチャート」
    • 「流れ作業」では「斜線式進度表」

    などが使用されます。
    以下に、進捗管理(進度管理)の手法を書いています。

  2. 「予定」と「実績」との「進みと遅れ」の差をチェックします。

  3. 遅れが発生している場合は、スケジュールを調整します。

  4. 「遅れの原因」を調査し、その対策を立案して実施します。

  5. 遅れが回復したのを確認します。

この繰り返しです。


進捗管理(進度管理)の対策


「進捗管理(進度管理)」は、次のような対策をおこないます。

遅れの種類別に原因の追究のやり方と対策の取り方です

1.計画に対して遅れている場合


原因 対策例
遅れの「原因」を調べます。 ・残業でカバーします。
・休日出勤します。
・他部門からの応援をもらいます。
・外注に依頼します。

2.生産能力不足による場合


原因 対策例
「注文」の「追加」や「飛び込み」などによる「作業量の増加」や「作業者の欠勤」などによって「生産能力」が不足します。 ・残業でカバーします。
・休日出勤します。
・他部門からの応援をもらいます。
・外注に依頼します。

3.稼働率や作業能率の低下による場合


原因 対策例
「不良の発生」、「機械の故障」、「指示待ち」、「段取り」、「運搬」などで「稼働率」が落ちます。
また「作業者」の「モラル低下」によって遅れが発生する場合があります。
対策としては、根本原因をつかんで対策を実施します。
「稼働率」が落ちた原因を調べるには、「IE(インダストリアルエンジニアリング)」の手法が効果的です。

4.材料や部品の欠品による場合


原因 対策例
材料や部品の「納期遅れ」や「発注ミス」によって遅れが発生するケースです。 外注先や購買先に「督促」や「緊急発注」をします。
再発防止には、発注のやり方を再考します。
「カムアップシステム」の導入や、「MRP」や「発注システム」、
「在庫管理システム」などを見直します。


進捗管理(進度管理)の手法


進捗管理(進度管理)をおこなう手法としては、次のようなものがあります。

差立盤


差立盤とは、作業者別、工程別(機械別)に、現在作業中のもの、次に作業すべきもの、準備中のものを、一目でわかるように表示し、作業割当を能率的におこなうものす。


「差立盤」は、「作業者別」、「工程別」(機械別)に次のような3つの入れ物(箱)を作ります。

  • 作業中
  • 準備完了(次作業するもの)
  • 準備中

です。

製品や部品の「作業伝票」を現在の状態の箱に入れます。
一目で現在の状態を把握することができます。

「差立盤は」、「作業割り当て」を能率的におこなうことができます

ガントチャート


ガントチャートとは、横軸に日数などの日付目盛りをとり、生産量とか作業時間とかについて、作成した計画に対して、実績がどのように進行しているかを一目で見ることが出来るグラフです。


「ガントチャート」ってよく聞きますね。

「ガントチャート」(Gantt chart)は、アメリカの「ガント」(H.L. Gantt)によって考案されたものです。

「日程計画」や生産の「進捗状況」などの表示するときに使用される「管理図表」です。
「日程計画」や「進捗管理(進度管理)」を合理的、かつ効率的に管理することができます。

例えば
左の縦軸に「工程や機械」「製品」「部品」などの項目を記入します。
上部の横軸は、「時間」「日」「週」「月」などの、日程を記入します。
あらかじめ、「仕事の予定」を細線で記入しておきます。
次に図に、「作業時間の累計」を時間の経過とともに太線で書き入れてゆきます。

「計画」と「実績」の差を明確に把握することができます。

一目で、スケジュールの「進捗管理(進度管理)」をおこなうことができます。

「ガントチャート」には、次のような特徴があります。

  • 「ガントチャート」は作り方が簡単です。

  • 各作業の「時間的な進行」が一目でわかります。
    迅速に対策を打つことができます。

  • どの作業を先におこなったら効果的かわかります。

  • 複雑な工程の管理には向いていません。

などです。

製造三角図(斜線式進度表)


製造三角図(斜線式進度表)

製造三角図とは、予定と実績の各累計線による比較で、数量と日数の進み遅れを一目で判断することができます。
斜線式進度 表とも言います。



「製造三角図」は、毎日の予定と実績の数量の遅れを把握することができる図です。

製造での月初から月末までの「生産量」「出荷量」「売上」の管理などによく使っています。

縦軸に「生産量」や「売上」、横軸に「日付」を記入します。

「日付」別に「累積の予定生産量」の直線を引きます。
毎日の「生産量の実績の累積」を日別に記入してゆきます。

計画と実績の「縦の差」が「数量(売上)の遅れ」です。
計画と実績の「横の差」が「日数の遅れ」です。

「計画線」と「実績線」の開きで進んでいるか遅れているかの程度を一目で把握することができます。

流動数曲線


流動数曲線

流動数曲線とは、インプットの累積線とアウトプットの累積線を引くことにより、工程の仕掛在庫(滞留量)や滞留期間(生産期間・生産リードタイム)をチェックできるグラフです。


「流動数曲線」は、「仕掛在庫」や「生産期間(生産リードタイム)」を把握することができます。

前述の「製造三角図」(斜線式進度表)に前工程からの「受入数の累積数」(前工程の完成数量の累計)を入れることにより、「流動数曲線」になります。

横軸に日付をとり、縦軸に累積の生産数を取ります。
そして、受入累積数(インプット)と払い出し(完成・出荷)累積数(アウトプット)を書き入れたものです。

縦方向の差が「仕掛在庫」になります。
横方向の差が「滞留期間」(生産期間・生産リードタイム)になります。

進度箱


進度箱とは、月日の表示がしてある多段の箱のことです。
各作業票を、作業の着手日付に従って月日の棚に入れ、作業者は、日程の早いものから優先的に作業をおこないます。


「進度箱」は、作業の遅れを管理することができます。

「進度箱」は、「月日」を表示している「多段の棚」です。
この棚の中に「作業伝票」の「着手日」に従って入れます。

現場の作業者は「進度箱」の中の「日程(着手日)」の早いものから、優先的に作業に着手するようにします。

「差立」(作業手配)をおこなってゆきます。

過去の日付に「作業伝票」のあるものは遅れが発生していますので優先的に「差立」(作業手配)をおこないます。

カムアップシステム


カムアップシステム

カムアップシステムとは、作業指示用の伝票を日付順に箱の中に立てて並べたものです。
手前が当日になるように並ぶようにして、当日するべき仕事がすぐにわかるようにしたものです。


「カムアップシステム」は、「作業伝票」を「作業開始」や「納期順」に整理して、その順番に基づいて作業をおこなってゆきます。

伝票制度


「伝票制度」は、「製造命令書」、「作業票」、「出庫票」、「移動票」などの帳票によって進捗管理(進度管理)を迅速、確実に処理する方法です。
最近では、コンピュータで管理することが多くなっています。

作業が終了するごとにデータをコンピュータに入力します。
リアルタイムで、「仕掛在庫」や「生産数量」、「不良状況」などを把握することができます。


いろいろあります。




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