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負荷配分(山積みと山崩し)


「負荷配分」(山積みと山崩し)について説明します。


負荷配分とは


負荷配分とは、負荷計画において負荷工数(仕事量)と工場の保有工数(生産能力)とを、工程別にまとめ、生産量や納期をなどを考えて、仕事を期間別に配分することです。


「月次の負荷計画」では、月別に「負荷工数」(仕事量)と「保有工数」(生産能力)を比較します。
「生産能力」が不足する場合は、いろいろな対策をおこないます。

1月(ひと月)内の「負荷工数」(仕事量)が「保有工数」(生産能力)に、合っていても、実際のお客様からの受注の「納期」によって日別の「生産計画」や「日程計画」が「負荷工数」(仕事量)と「保有工数」(生産能力)が合っていない場合は、「日程(日程計画や生産計画)」を調整する必要があります。

「負荷配分」は、「日別」の「負荷計画」です。

「負荷配分」の結果、最終的な「日程計画(生産計画)」が作成されます。

やり方の一つに「山積みと山崩し」があります。


「山積みと山崩し」とは


「負荷」の「山積み」とは、「負荷」(仕事量)を「期間別」に順次に積み重ねていくことです。

「山崩し」とは、「生産能力」に合わせた「日程計画(生産計画)」を作成することです。


負荷配分の方式


「負荷配分」の方式には、次の2つのやり方があります。
「山崩し」のやり方です。

順行負荷法(フォワード方式)


順行負荷法(フォワード方式)とは、現時点を基準とし、各工程を加工順に従って、余力のある最初の「計画期」(タイムバケット:日別など)へ時間軸に従って負荷していく方法です。

「負荷配分」の手順は簡単です。

納期を算定するときに使用されます。

逆行負荷法(バックワード方式)


逆行負荷法(バックワード方式)とは、加工手順とは逆方向に、各工程の余力のある「計画期」(タイムバケット:日別など)へ時間軸の方向と逆方向に負荷していく方法です。
計画中に負荷の移動や調整が多いときは計算が複雑になります。


納期を基準とするので、完成品の在庫の期間を短くするときには有効です。

受注後の負荷配分などに適用されます。


負荷配分のやり方


負荷配分の「山積み」「山崩し」のやり方です。

山積みのやり方


「山積み」のやり方は次のステップでおこないます。

  1. 「負荷計画」前の「基準日程計画」や「日程計画(生産計画)」を取り込みます。
    期別の品目と数量です。
    「納期」から「生産リードタイム」を前倒ししています。
    「歩留まり」も割り戻します。
    工程別に「山積み」「山崩し」を行う場合はその工程までから後の「生産リードタイム」「歩留まり」を考慮します。

    「期」(計画期)の「タイムバケット」は「月」「旬」(10日)「週」「日」などです。

  2. 「山積表」は「期」(計画期)ごとに「工程別(機械別、職場別)」に「負荷(必要工数)」を算出し、積み上げて作成します。

  3. 「能力線」を引きます。

  4. 「負荷」と比較します。

  5. 「能力線」から上に出た「負荷」は対策を立てる必要があります。

山崩しのやり方


「山崩し」のやり方です。

  1. 「山積表」をもとに、ピーク時を前倒ししたりして「平準化」を図ります。
    現有の「生産能力」を超えている場合には、能力を超えた負荷が存在する「期」(計画期)の生産を余裕のある「期」(計画期)へ移動します。
    「山崩し」といいます。

  2. 最終的な「日程計画(生産計画)」を作成します。
    「生産順序計画」などになります。

「生産能力」が不足する場合は、前述の「負荷計画」で説明した、対策を打つ必要があります。

「山崩し」において生産を他の期に移動する場合には、前後の「期」にある該当品目に対応する生産も同時に移動する必要が出てきます。
このような計算は、非常に複雑となるので手計算ではかなり大変です。

そのため、「負荷計画」専用の「ソフトウェア」や「APS(Advanced Planning and Scheduling)」ソフトウェアを利用する必要がでてきます。
「スケジューラ」や「生産スケジューラ」などとも呼んでいます。



「負荷配分」(山積み山崩し」)は「ボトルネック工程」のみおこなうのが現実的です。




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