月次の負荷計画の例
「負荷計画」はわかりくにいので実際の例で説明します。
月次の「負荷計画」の例です。
目次
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前提条件
まず、前提条件です。
機械の標準工数
まず「機械」の「台数」と「標準工数」です。機械の台数
機械名 | 台数 | 機械の種類 |
---|---|---|
機械Z | 5台 | 自動機械 |
機械の製品別の標準工数
製品名 | 生産数量/時間 | 標準工数(人・時間/個) |
---|---|---|
製品A | 100個 | 0.01 |
製品B | 200個 | 0.005 |
人の標準工数
作業者
作業者 |
---|
4名 |
機械の受け持ち台数と「標準工数」
実際は、「人員」と「機械」の「生産能力」はもっと複雑になっていますが、簡単にするために、次のようにします。1人で受け持つ機械の台数 | 機械の工数と人の工数の関係 |
---|---|
1人で1台の機械を受け持つ場合 | 人員の「工数」は機械の「工数」と同じにします。 |
1人で2台の機械を受け持つ場合 | 人員の生産能力が2倍になりますので、人員の「工数」は機械の「工数」の半分にします。 |
1人1台の機械を使用する場合の人の「標準工数」
製品名 | 生産数量/時間 | 標準工数(人・時間/個) |
---|---|---|
製品A | 100個 | 0.01 |
製品B | 200個 | 0.005 |
1人2台の機械を使用する場合の人の「標準工数」
製品名 | 生産数量/時間 | 標準工数(人・時間/個) |
---|---|---|
製品A | 200個 | 0.005 |
製品B | 400個 | 0.0025 |
1月(ひと月)の生産量
製品名 | 生産数量 |
---|---|
製品A | 50,000個 |
製品B | 100,000個 |
その他の情報
その他の情報は次のように設定します。項目名 | 内容 |
---|---|
製造工程 | 簡単にするために、この工程だけにします。 |
歩留まり | 100% |
1日の労働時間(稼働時間) | 8時間 |
1月の労働日(稼働日) | 20日の稼働日 |
出勤率 | 90% |
負荷計画の結果
まず、機械の「負荷」(仕事量)と「生産能力」を比較します。
機械の負荷計画
自動機械の場合は、「生産能力」は「生産数量」で表します。「機械Z」の生産能力
1月(ひと月)の生産能力 = (生産数量/時間) X (1日の稼働時間) X (1月の稼働日)で算出されますので、「機械Z」1台の製品別の1月(ひと月)の生産能力は次のようになります。
製品名 | 「機械Z」1台の1月(ひと月)の生産能力 |
---|---|
製品Aの生産能力 | (100個/時)X(8時間/日)X(20日)=16,000個/月 |
製品Bの生産能力 | (200個/時)X(8時間/日)X(20日)=32,000個/月 |
機械Zの必要台数
製品名 | 生産数量/月÷月の生産能力=必要台数 |
---|---|
製品A | (50,000個/月)÷(16,000個/月)=3.1台 |
製品B | (100,000個/月)÷(32,000個/月)=0.3台 |
合計 | 必要な機械Zの台数 3.4台 |
機械の「現有保有台数」は5台なので問題はありません。
人員の負荷計画(1人1台の機械を扱う場合)
次に人員についても「負荷」(仕事量)と「生産能力」を比較します。「1人1台」の機械を扱う場合です。
生産数量の所要工数(負荷)
- 標準工数
製品名 生産数量/時間 標準工数(人・時間/個) 製品A 100個 0.01 製品B 200個 0.005
- 1月(ひと月)に必要な所要工数
1月(ひと月)に必要な「所要工数」 = (1月の生産量) X (標準工数)
ですので、製品別の1月(ひと月)の「所要工数」は、次のようになります。
製品名 1月(ひと月)の「所要工数」 製品A (50,000個/月)X(0.01時間/個)=500時間/月 製品B (100,000個/月)X(0.005時間/個)=500時間/月 合計 1月(ひと月)で必要な「所要工数」の合計は、 1000時間
必要な人員の計算
必要な人員 =(1月に必要な所要工数)÷(1日の稼働時間)÷(1月の稼働日)÷(出勤率)
ですので、1月(ひと月)で必要な人員は、
(1000時間)÷(8時間/日)÷(20日/月)÷(0.9(出勤率))=6.94人 |
になります。
この工程では、7人の人員が必要です。
保有人員は、4人ですから対策が必要になります。
人員の負荷計画(1人2台の機械を扱う場合)
1人2台の機械を扱う場合です。計算のやり方は同じです。
生産数量の所要工数(負荷)
- 標準工数
製品名 生産数量/時間 標準工数(人・時間/個) 製品A 200個 0.005 製品B 400個 0.0025
- 1月(ひと月)に必要な所要工数
1月(ひと月)に必要な「所要工数」=(1月の生産量)X(標準工数)
ですので、製品別の1月(ひと月)の「所要工数」は、次のようになります。
製品名 1月(ひと月)の「所要工数」 製品A (50,000個/月)X(0.005時間/個)=250時間/月 製品B (100,000個/月)X(0.0025時間/個)=250時間/月 合計 1月(ひと月)で必要な「所要工数」の合計は、 500時間
必要な人員の計算
必要な人員 =(1月に必要な所要工数)÷(1日の稼働時間)÷(1月の稼働日)÷(出勤率)
ですので、1月(ひと月)で必要な人員は、
(500時間)÷(8時間/日)÷(20日/月)÷(0.9(出勤率))=3.47人 |
になります。
この工程では、4人の人員が必要です。
保有人員は、4人ですから大丈夫です。
これは、1月(ひと月)の「負荷計画」です。
生産能力が不足する場合は、対策を打つ必要があります。
●「工程計画」の関連ページです。
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