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負荷計画


「負荷計画」について説明します。


負荷計画とは


負荷計画とは、注文の納期から生産リードタイムを前倒しして、各工程の仕事量(負荷工数)と保有工数(生産能力)を比較・調整して最終的に実行可能な計画を作成することです。


「工数計画」で、製品の加工に必要な「仕事量」(負荷工数)が決まりました。
次は、その「仕事量」(負荷工数)を、おこなう人員や機械の「生産能力」(保有工数)があるか調べる必要があります。


負荷計画は、最終的に「生産能力」(保有工数)に合わせた「日程計画(生産計画)」を作成することです。


負荷工数(負荷/仕事量)とは


負荷工数とは、一定期間内にどれだけの数量を製品や部品を作るかを、負荷(仕事量)に置き換えていることです。
標準時間に生産量を乗じて計算します。



負荷工数(負荷・仕事量)は以下のように計算します。

負荷工数 = 1個当たりの標準時間 X 一定期間内に必要な生産量

です。

1個当たりの標準時間は、「標準工数」とも呼んでいます。


保有工数(生産能力)とは


保有工数とは、作業者や機械の生産能力です。
作業者や機械の実働時間に作業者数や機械台数を乗じて計算します。



作業者の保有工数(生産能力)は以下のように計算します。

作業者の保有工数=特定期間の就業時間(実働時間) X 稼働率 X 作業者数


機械も同じように計算します。

機械の保有能力=特定期間の運転時間(実働時間) X 稼働率 X 機械台数

です。


負荷計画の種類


現実的には、「負荷計画」は2つあります。

  1. 月次の「負荷計画」
  2. 「負荷計画」に合った「日程計画(生産計画)」
です。

月次の「負荷計画」

月次の「負荷計画」では、月次の製品別の「日程計画(生産計画)」の「生産数量」から「負荷工数」(仕事量)と現在の「保有工数(生産能力)」を比較します。
「保有工数(生産能力)」の過不足については、前もって対策をおこないます。

「負荷計画」に合った「日程計画(生産計画)」

「製造工程」で、効率的な生産を行なってゆくためには、適切な「日程計画(生産計画)」が前提になります。

月次の「負荷計画」によって「生産能力」が準備されます。

販売や顧客からの受注に変動がなく、一定していれば、よいのですが、その様なことは、殆どありません。
季節変動や日々の変更もあり、「納期」もばらつきがあります。

月次では「負荷工数(仕事量)」に「保有工数(生産能力)」が合っていたとしても、「週別」や「日別」では、「負荷工数(仕事量)」と「保有工数(生産能力)」に過不足が発生します。

「保有工数(生産能力)」を考えないで、販売計画や需要・受注から単純に「日程計画(生産計画)」を立てたり、受注の「納期」から「生産のリードタイム」を前倒しするだけで、生産の「日程計画(生産計画)」を立てることは出来ません。

「人」や、「機械・設備」などの「保有工数(生産能力)」が不足したり、反対に「人」が余ったり、「機械・設備」が遊んだりします。

工場が生産効率を高めて、原価低減や収益を拡大してゆくためには、「日程計画(生産計画)」を作成する段階で、「負荷工数(仕事量)」と「保有工数(生産能力)」(人員や機械・設備)を調整する必要があります。

最終的には、「人」と「機械・設備」の「保有工数(生産能力)」を考慮した「平準化」された「日程計画(生産計画)」
を作成することが大切です。

「負荷工数」(仕事量)と「保有工数(生産能力)」を調整する計画を「負荷計画」と呼んでいます。

「負荷工数」(仕事量)を算出し、「人」や「機械・設備」などの「保有工数(生産能力)と」比較し過不足に対して必要な対策を立てたり、「保有工数(生産能力)」に合った「日程計画(生産計画)」を作成します。

「日程計画(生産計画)」と「負荷計画」は同時に作成されます。

「負荷計画」のことを「生産能力計画」とか「余力計画」と呼ぶ場合もあります。

「余力」とは「保有工数(生産能力)」から「負荷・負荷工数」を引いたものです。


負荷計画の目的


「負荷計画」には次のような目的があります。

  • 「負荷工数(仕事量)」と保有工数(生産能力)との調整をおこない、「納期」の確保をおこないます。

  • 「日程別」の「負荷工数(仕事量)」の調整をおこない、生産の「平均化」「平準化」を図っていきます。

  • 計算された「負荷工数(仕事量)」に対して、人員の「適正配置」や「多能工化」を図り高効率な生産活動を実現していきます。

  • 突発的な「飛び込み受注」「機械の故障」「その他のトラブル」に対応するための「余力管理」をおこないます。

などです。


負荷計画の流れ


「負荷計画」は、次のようなステップで作成してゆきます。

1.製品ごとの工程別の「標準工数」の算定(工数計画)

「余裕時間」を含めた製品1個当たりの作業の「標準時間」を求め「標準工数」を計算します。

2.「標準工数」をもとに、「工程別(機械別)工数」の算定をおこないます。


3.「日程計画(生産計画)」を基に、一定期間(月単位)で製品別の「所要工数」、「工程別所要工数」を計算します。

次月については、対策をおこないます。
当月については、日別に分解します。
負荷の「平準化」や「余力管理」の資料になります。

4.工程別の保有する「生産能力」を「工数」で計算します。


5.「負荷工数(仕事量)」と「保有工数(生産能力」を比較して調整します。

「負荷計画」で「日程計画」に反映してゆきます。
具体的には「工程別」に「工数山積み」をおこないます。
「工数山積み」は工程別に「負荷」の工数を積算して、当該工程の保有する「保有工数(生産能力)」と比較します。

5-1.「生産能力」が不足する場合

「生産能力」が不足する場合は、まずは、「生産能力」を上げることができないのか検討します。
次のような対策をおこないます。

  • 残業でカバー
  • 休日出勤
  • 他部門からの応援
  • 外注活用
  • 長期的には、増員、新規の機械を導入します。

などです。

5-2.「生産能力」が余っている場合

「生産能力」が余っている場合は、次のような対策をおこないます。

  • 他部門への応援
  • 追加の注文を依頼

などです。

できない場合は、次の「山崩し」をおこないます。

6.対策を打っても「負荷工数(仕事量)」が「保有工数(生産能力)」をオーバーするときは、「山崩し」をおこないます。

「工数山崩しルール」に従って、「保有工数(生産能力)」まで超えた部分を、他の期間(日程)に移動させます。
「負荷」の調整をはかります。


7.最終的な、「日程計画(生産計画)」を作成します。



「山積み」「山崩し」のやり方は、別途、説明します。




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