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ワークサンプリング法(稼動分析)


稼働分析と、ワークサンプリング法について説明します。


稼働分析とは


稼働分析とは、作業者がどのように働いているかを、主作業、不随作業、付帯作業、余裕、非作業に分類したり、機械設備の稼働状況を定量的に把握するための手法です。

稼働分析には、ワークサンプリング法という手法があります。


主体作業の「正味作業時間」は、「時間分析」などで、測定すれば時間を算出することができます。

でも、「余裕」、や「付帯作業」は、測定できません。

この分析をおこなうのに、「稼働分析」をおこないます。


稼働分析の目的


「稼働分析」には次のような目的があります。

  • 「標準時間」の設定のための「余裕率」を求めるためです。

  • 作業者の「待ち時間」や機械の「非稼働時間」の原因を調査して改善に役立てるためです。

  • 詳細な「作業分析」が必要なな部分を選択するためです。

  • 作業者の「標準時間」を大づかみに決定するためです。
    「時間分析」で測定した「標準時間」の精度を検討します。

  • 適正な「人員」、「機械設備」、「方法」を決定するためです。

などです。


稼働分析の手法


「稼働分析」には、次の2つの方法があります。

  1. 連続観測法

    1日中、作業者をストップウォッチを用いて「連続的」に「観測記録」する方法です。

  2. ワークサンプリング法

    作業者がおこなっている各作業を「瞬間的」に「観測」して、統計的に集計し、分類する方法です。

「ワークサンプリング法」の方がよく使用されていますので、「ワークサンプリング法」について説明します。


ワークサンプリング法


ワークサンプリング法とは、作業者がおこなっている各作業を瞬間的に観測して、 統計的に集計し、分類する方法です。
確率の法則に基づいて職場を瞬間観測する手法です。
ひろく、使用されています。


瞬間的に測定するので、作業者が意識することがあまりありません。
比較的、実態に近い状態で観測できます。

概要


作業者や機械などの調査対象を、ランダムに決めた時刻に見回り、その瞬間の作業者や機械の状況を記録します。
何回も繰り返し、集計します。

統計的に、要求する「許容誤差」、「信頼度」で観測回数を決めます。

集計結果で、「余裕率」や「稼働率」を算出します。
また、作業者の「待ち時間」や機械の「非稼働時間」の原因を分析することにより
生産性向上に生かすことができます。

ワークサンプリング法のメリット


ワークサンプリング法のメリットです。

  • 1人の観測者で、同時に何人も観測することができます。
    得られた結果は、作業者の平均になります。

  • 調査方法が簡単です。

  • 観測の対象者が意識的に行動することがほとんどありません。
    実際の状況を把握することできます。

  • 長期間の観測も可能です。
    その間の時系列の分析もできます。

などです。

ワークサンプリング法のデメリット


ワークサンプリング法のデメリットです。

  • 作業の順序を記録することができない。

  • 作業者が作業速度を変えてもわからない。

  • 作業内容の詳細の分析はできない。
    無効な動作や要素作業の分析は難しい。

などです。

ワークサンプリング法のやり方(実施手順)


「ワークサンプリング」は次のステップでおこなってゆきます。

  1. 観測目的を決めます。
    作業者か機械かを決めます。

  2. 観測項目を決定します。
    「作業」は、大まかな「要素作業」や「作業の分類」などに分けます。
    機械は、稼働、非稼働などにわけます。

  3. 許容誤差と信頼度を決めます。

  4. 稼働率の比率を予測して、予備調査をおこないます。

  5. 観測計画をたてます。

  6. 許容誤差と信頼度から、観測数を決めます。

  7. 観測数、日数、観測者数を決めます。

  8. ランダム時刻表から観測時刻を決めます。

  9. 観測用紙に観測時間と観測対象を記入します。

  10. 計画に従って観測し、その結果を観測用紙に記入します。

  11. 毎日のデータを日別に項目別に集計します。

  12. 時系列比較や項目別に分析します。
    パレート分析などをおこないます。

  13. 結果の報告や改善提案データとして活用します。

「ワークサンプリング法」(稼動分析)は多く使用されています。




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