PTS法(時間分析・時間研究)
「PTS法」(時間分析・時間研究)について説明します。
目次
PTS法とは
PTS法とは、人間の作業に含まれる動作要素について、あらかじめ信頼できる標準時間を定めておき、その組み合わせにより作業の標準時間を設定する手法です。
PTS法には、WF法やMTM法などの手法があります。
PTSは「predetermined time standard system」の略です。
「PTS法」は、「時間分析(時間研究」の手法のひとつです。
時間分析とは、時間研究とも言われ、作業者の動作そのものを直接観測して、作業中の動作や加工条件について改善し、その作業をおこなうのに必要な要素作業と所要時間を決める手法です。
前述した、「ストップウォッチ法」による「時間分析(時間研究)」は、「標準時間」の基礎的な手法です。
でも、時間と手間がかかり、観測者の技能による個人差が結果に影響されます。
また、「レイティング」の設定が難しいです。
PTS法を使用することにより、公平な標準時間を設定することが出来ます。
●参考ページ
PTS法のメリット
「PTS法」には次のようなメリットがあります。
- 動作と時間の関係を認識しやすい。
- 動作速度のレイティングの必要がありません。
- 公平な標準時間を決めることができます。
- 作業者の作業方法の訓練に使用することができます。
PTS法のデメリット
でも、次のようなデメリットもあります。
- 分析に手数がかかります。
- 正確に使用できるようになるのに時間がかかります。
専門的な訓練が必要です。
- 動作標準時間と実際の速度が異なる場合があります。
などです。
PTS法の手法
「PTS法」の手法としては、次の2つがあります。
- WF法(work-factor plan)
- MTM法(methods-time measurement)
です。
それぞれについて概要を説明します。
WF法(work-factor plan)
「WF法」は、「ワークファクター法」と呼んでいます。
「動作時間」を決める要因
「動作時間」を決める要因に次の「4つ」をあげています。
- 使用される身体部位(指、手、腕、胴、脚、足など)ごとに
- 動作距離
- 重量または抵抗
- 人為的調節
です。
人為的調節
「人為的調節」は、次のの4種類があります。
- 停止(D)
- 注意(P)
- 方向の調節(S)
- 方向の変更(U)
です。
この4要因の変化で「動作標準時間」を決めています。
「時間単位」は、
「WFU(work factor unit)」です。
1
1WFU = ---------分 = 0.006秒です。
10,000
例えば、
「WF法」によると、腕を150mm(15cm)伸ばすのにかかる時間は、「腕の動作時間標準表」から、「32」になっています。
32
------分 = 0.192秒になります。
10,000
これは、「レイティング」を考量した時間になります。
MTM法(methods-time measurement)
「MTM法」では、「WF法」の「4作業」を次の「10の基本動作」に分類しています。
10の基本動作
- 手をのばす(R)
- 運ぶ(M)
- まわす(T)
- 押す(AP)
- つかむ(G)
- 定置する(P)
- 放す(PL)
- 引き離す(D)
- 目の移動(ET)
- 目の焦点合わせ(EF)
です。
これらの動作の種類と距離で時間を決めています。
「時間単位は」、
「TMU(time measumenet unit)」です。
1
1TMU = -----------時間 = 0.036秒
100,000
です。
●「IE(インダストリアルエンジニアリング)」の関連ページです。
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