動作分析(作業分析)
「動作分析」(作業分析)について説明します。
目次
動作分析(作業分析)とは
動作分析(作業分析)とは、1つの作業や1サイクルの作業に ついて、作業者の動作内容を詳細に観察し分析することにより、不必要な動作を排除し、疲労の少ない経済的な作業方法を確立する手法です。
動作分析(作業分析)には、サーブリッグ分析、フィルム分析、動作経済の原則などの手法があります。
動作分析(作業分析)の目的
「動作分析(作業分析)」の目的は、「標準の作業方法」を確立することです。
作業者の「動作内容」を詳細の分析研究することにより、その中から不必要と思われる動作を排除し、より疲労の少ない経済的な動作の順序や組み合わせを決めることです。
動作分析(作業分析)の手法
「動作分析(作業分析)」には次の2つの手法があります。
- サーブリッグ分析
- フィルム分析
です。
それぞれについて説明します。
サーブリッグ分析
人間の動作を徹底的に細かく分析すると、「18の基本動作」になるそうです。
この基本動作のことを「サーブリッグ」と呼んでいます。
記号化したものが、「サーブリッグ記号」です。
「サーブリッグ分析」は、作業を、「サーブリッグ」で分析することによって、作業能率をあげることです。
「サーブリッグ記号」は次の3つに分類されています。
- 第1類
仕事を進めるのに必要な要素です。
- 第2類
第1類の要素を遅くする傾向のあるものです。
- 第3類
仕事が進んでいない要素です。
です。
第3類を取り除き、第2類をできるだけ少なくすることが大切です。
「18」のサーブリッグ記号
「18」の「サーブリッグ記号」には次のようなものがあります。
分類別にわけています。
第1類 | 第2類 | 第3類 |
---|---|---|
・空手 ・つかむ ・運ぶ ・位置決め ・組合わせる ・使う ・分解する ・手放す ・しらべる |
・さがす ・見出す ・選ぶ ・用意する ・考える |
・保つ ・避けえないおくれ ・休み ・避けえるおくれ |
サーブリッグでの改善のやり方
「サーブリッグ分析」では、次のステップで改善をおこないます。
- 動作を分析して、「サーブリッグ記号」でまとめます。
- 「第2類」「第3類」の全体に対する割合をみます。
- 多い場合は、動作に無駄があり改善する必要があります。
- 「第2類」の改善例では作業内での「物の置き方」を改善します
- 「第3類」の改善例です。
- 保持する「治工具」を活用します。
- 作業内の「配置」
- 動作の「順序の組替え」
- 保持する「治工具」を活用します。
などを考えます。
フィルム分析
「フィルム分析」は、対象作業を撮影後「ひとコマひとコマ」分析することによって、「動作」と「動作時間」を明らかにして改善する手法です。
次の2つの種類があります。
最近では、スマホで簡単に動画が撮影出来ます。
スローモーションや高速撮影が出来るアプリもあります。
そして、撮影した動画を分析するソフトもたくさんあります。
簡単に分析できるようになりました。
メモモーション分析
低速度撮影をします。作業内容が理解できる最も遅い速度で撮影して、撮影後のフィルムを分析します。
「作業改善」が目的です。
「連合作業」や「長時間作業」の分析に使用します。
マイクロモーション分析
反対に高速度撮影をします。作業を高速で撮影し、普通の速度で見て分析します。
「単純反復作業」における「両手動作の分析」に使用されます。
動作経済の原則
「動作分析(作業分析)」には、「動作経済の原則」というのがあります。
動作経済の原則とは、疲労を最も少なくして、有用な仕事量を増加するため、人間のエネルギーを有効に活用する経験的な法則です。
つまり、疲れなくて生産が増えるやり方ですね。
改善のヒントになりますから参考にした方がよいですね。
次のようなことがあります。
大きく、次の2つに分かれています。
- 身体の使用に関する原則
- 機械器具に関する原則
それの個別の内容について説明します。
身体の使用に関する原則
- 両手は同時に始めて、できるだけ同時に終わるようにします。
- 両腕の動作は反対に対称方向に動かすようにします。
- なるべく体を動かす範囲を小さくします。
- できるだけ感性や重力、自然力などを利用します。
- 動作は連続曲線運動にします。
- 不自然な姿勢や制限された動作は避けます。
- 動作はリズムを保っておこなう。
- 足を有効に使用します。
- 作業は、正常作業範囲内で行うようにします。
などです。
機械器具に関する原則
- 作業エリアは、なるべく狭くし、材料や工具を作業順序に合わせて置きます。
- 材料の取り出し、送り出しは重力や機械、装置を利用します。
- ・工具、材料、機械、装置は作業者に近接し、そして前に置きます。
- 作業台、椅子は作業者に合わせます。
疲れの少ない高さ、形にします。
- 照明、空調、温度など適正な職場環境にします。
- 機械、設備は足を有効に使うようにします。
- 2つ以上の工具を、なるべく1つに結合します。
- 材料や部品の取りやすい容器や器具を利用します。
- 機械の操作は、なるべく体の位置や姿勢を変えずに操作ができるようにします。
などです。
「動作経済の原則」を考えて改善案を考えると、やりやすいと思います。
●「IE(インダストリアルエンジニアリング)」の関連ページです。
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