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IE手法とは


IE手法(インダストリアルエンジニアリング)について説明します。


IE手法とは


IE手法とは、仕事のムリ、ムダをなくして方法の質(能率)を高める手法です。 人・材料・設備の新しいやり方を設計したり、現在のやり方を改善したり定着させる方法です。

IE手法には、大きく分けて、方法研究と作業測定があります。


「IE(インダストリアルエンジニアリング)」って聞いたことがありますか?

「IE」は、戦後、アメリカから導入された手法です。
かなり昔からあります。
「工程管理」の技術の一つです。

工場内の「工程」や「作業」を分析する手法です。

今でも、トヨタの生産方式の現場や多くの工場で使われています。

「IE」とは、「Industrial Engineering」(インダストリアルエンジニアリング)の略です。

日本語では、「生産工学」などと呼ばれています。

通常は、「アイイー」とか、そのまま「インダストリアルエンジニアリング」と呼んでいます。

「IE」は、無駄のない最善の方法を作り出すための手法です。
「生産性向上」と「原価低減」をおこなうことができます。

「工程管理」には、必要な知識です。


IE手法を活用する目的


「IE手法」を活用する目的は次のようなことがあります。

  • 工程での生産の「実態」を系統的に把握することができます。

  • 「ロス」や「ムダ」などの事実をできるだけ早く見つけることができます。

  • 工程での生産の「改善」や「標準化」を系統的に実施することができます。

  • 「人」「機械」「材料」「エネルギー」を効率よく使用することができます。

などです。


IE手法を使用するメリット


「IE手法」を使用するメリットは次のようなことがあります。

  • 分析手順さえ間違えなければ、誰でも「同じ結果」が得られます。

  • 事実を「定量的」に分析することができるので検討が加えやすい。

  • 「記号化」「図表化」することにより共通の言葉で検討ができます。

などです。


IE手法を使うときに注意すること


IE手法を使うときに注意することは次のようなことです。

  • 「客観的」であること

  • 「定量的」にみること。問題を定量化します。

  • 「事実」をありのまま分析します。

  • 「記号化」「図表化」「グラフ化」すること。

  • 「系統的」に分析すること

などです。


方法研究(IE手法)


方法研究とは、現在の仕事のやり方や将来の仕事のやり方について、系統的に、記録・分析・検討をおこない、容易で効率的なやり方を発見して適用する手法です。

方法研究は、おおきく、次の2つの種類があります。

  1. 工程分析
  2. 動作分析(作業分析)

です。

それぞれについて説明します。

工程分析


工程分析とは、材料が製品になるまでの、加工や検査の工程を「工程分析記号」を使って図表化することにより、工程の問題点、改善点をみつけるための手法です。


以下のような手法があります。

単純工程分析


「 単純工程分析」とは、加工と検査の2つにのみ着目する方法です。
運搬や停滞等は無視し、どのような作業、検査を行なっているかという、工程全体の概略を掴むことが目的です。

作業者工程分析


「作業者工程分析」とは、作業者を主体として、その動作を作業する順番に沿って、「工程分析記号」を使って分析してゆきます。

製品工程分析


「製品工程分析」とは、工程の詳細を「モノ」の動きの視点から分析する方法です。

フローダイアグラム


「フローダイアグラム」とは、原料の受入から出荷までの流れを分かりやすくイメージできるように工程を書き出したものです。
製造工程図とも呼ばれています。

MMチャート(連合作業分析)


連合作業分析とは、一つの作業を、複数の人や機械を使っておこなう「組作業」において、最良のバランスがとれるような編成をするために、作業者の時間の「相互関係」を分析する手法です。

「MMチャート」(Man Machine チャート)と呼ばれる人-機械作業分析表を使い人と機械のタイムチャートを作り、時間帯毎に手待ちやムダがないかを検討していきます。

動作分析(作業分析)


動作分析(作業分析)とは、1つの作業や1サイクルの作業に ついて、作業者の動作内容を詳細に観察し分析することにより、不必要な動作を排除し、疲労の少ない経済的な作業方法を確立する手法です。


以下のような手法があります。

サーブリッグ分析(微動作分析)

「サーブリッグ分析」は、作業を、基本動作「サーブリッグ」で分析することによって、作業能率をあげることです。

ピッチダイアグラム(ライン編成分析)


「ライン編成分析」は、作業者の「作業配分」の分析手法です。

「ピッチダイアグラム」は、各行程の作業時間を棒グラフにまとめたものです。
「ピッチダイアグラム」を作ることにより、工程の改善案がより効果的に見えてきます。.
ボトルネック工程などを把握することが出来ます。


作業測定(IE手法)


作業測定とは、非効率な作業を定量的に測定して削減をおこない、そのあとの生産的な作業の標準時間を決定するための手法です。

このような測定から得られる結果が「標準時間」になります。

標準時間とは、標準の熟練度をもつ作業者が、一定の設備と作業方法により、既定された品質の製品を生産するために、標準の作業スピードで作業をおこなう場合の作業時間です。

作業測定は、おおきく、次の2つの種類があります。

  • 稼働分析
  • 時間分析(時間研究)

それぞれについて説明します。

稼働分析


稼働分析とは、作業者がどのように働いているかを、主作業、不随作業、付帯作業、余裕、非作業に分類したり、機械設備の稼働状況を定量的に把握するための手法です。

稼働分析には、以下のような手法があります。

連続観測法


「連続観測法」とは、人または機械の稼働状態を長時間に渡って連続的に観測する方法です。 手間はかかりますが、詳細な調査により、現場の状態を正しく把握することが出来ます。

ワークサンプリング


「ワークサンプリング法」は、「作業者の作業の構成」や、「機械の稼動状況」などの分析に使用します。
「ワークサンプリング法」は、「動作分析(作業分析)」「稼働分析」「標準時間の設定」などでも使用されています。


時間分析(時間研究)


時間分析とは、作業者の動作そのものを直接観測して、作業中の動作や加工条件について改善し、その作業をおこなうのに必要な要素作業と所要時間を決める手法です。
時間研究とも言います。

時間分析(時間研究)には、以下のような手法があります。

ストップウォッチ法


「ストップウォッチ法」(直接時間分析法)とは、実際の作業の動作を「ストップウォッチ」を使って実際に測定する手法です。


PTS法


「PTS(predetermined time standard system)法」は、人間の作業に含まれる動作要素について、あらかじめ信頼できる「標準時間」を定めておきます。 その組み合わせにより「標準時間」を設定するものです。
「PTS法」は、「動作分析(作業分析)」「標準時間の設定」などでも使用されています。


統計的標準


「統計的標準」は、統計的手法によって、標準時間を求める方法です。

標準時間資料法


「 標準時間資料法」とは、「時間研究」や「PTS法」などで過去に測定したデータをもとに、要素作業別の標準時間を設定する方法のことです。


その他のIE手法


その他のIE手法でです。

マテハン(運搬管理)

「移動」や「運搬」を分析する手法です。

以下のような手法があります。

運搬工程分析

「運搬工程分析」は、 製品の、「運搬」を検討、分析する手法です。

運搬活性分析

「運搬活性分析」は、モノの移動のしやすさ(活性)から分析する方法です。


レイアウト

機械、人の配置や物の流れなどの「レイアウト」を分析する手法です。

以下のような手法があります。

フロムツーチャート

フロムツーチャートとは「流出流入図表」と呼ばれていて、「機能別レイアウト」を採用している工場において、物の流れを分析するために活用される手法です。
縦には上から順番に、横には左から順番に工程を表示していきます。

アクティビティ関連図

「アクティビティ」とは人、機械、設備、材料、倉庫、事務所、出入り口、通路など、工場の構成要素をさします。
このアクティビティ同士が、相互にどの程度結びつきが強いのかを分析するために作るのが、アクティビテ関連図です。

ビデオ撮り

機械や作業者をビデオで撮影して分析します。



この中で重要な手法について、別途説明します。




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