ストップウォッチ法(時間分析)


「ストップウォッチ法」(時間分析)について説明します。

「工程分析」や「動作分析」で、工程や作業の動作の改善がおこなわれました。

次に作業者の動作そのものを直接観測して、作業中の「動作ややり方」を改善します。

そして、作業に要する「標準時間」を決定します。

「標準時間」について、前ページで説明しました。
「標準時間」は「工数計画」や「日程計画」などを作成するときに使用されています。

このページは、分析のやり方について説明します。

「時間分析」の主な手法に、「ストップウォッチ法」(直接時間分析法)があります。

■1.「ストップウォッチ法」(直接時間分析法)とは

「ストップウォッチ法」(直接時間分析法)とは、実際の作業の動作を「ストップウォッチ」を使って実際に測定する手法です。


■2.「ストップウォッチ法」をおこなう手順

「ストップウォッチ法」(直接時間分析法)は次の手順でおこないます。

  1. 対象となる「作業」、「作業者」、「作業条件」を決めます。

  2. 作業をいくつかの「要素作業」に分割します。
    「要素作業」とは、一番細かくした作業です。
    動作よりも大きいレベルです。

    例えば、
    「部品を取る」、「ねじをしめる」、「ドリルをおろす」
    などの一番、小さな作業です。

  3. 「各要素作業」の時間を実際に測定して記録します。

  4. 「要素作業」ごとに観測時間値の平均を計算します。

  5. 「観測時間値」を正常速度に換算します。
    この作業を「レイティング」と呼んでいます。

    「レイティング」とは実際におこなった作業者の速度を正常速度に換算することです。

    例えば、
    熟練者を観測して測定した時間が、通常の作業者より「1.2倍」時間が早いとします。
    そのときは、実際の観測値を「1.2」で割って正常値を求めます。

    この「1.2」を「レイティング係数」と呼んでいます。
    この割り戻しを「レイティング」と呼んでいます。

  6. 「各要素作業」の「正味時間」を合計して、正味の「サイクル時間」を計算します。

    1つの作業の「サイクルの時間」です。
    「1サイクルの時間」は作業の最初から最後までの時間です。
    「正味作業時間」と同じです。

  7. 「正味サイクル時間」(正味作業時間)に「余裕率」を掛けて「余裕時間」を求めます。

  8. 「正味サイクル時間」(正味作業時間)と「余裕時間」を合計してその作業の「標準時間」になります。
です。


■3.観測の方法

ストップウォッチを使って観測する方法には次の2つがあります。

  1. 連続観測法
    作業者の最初の「要素作業」が始まると同時にストップウォッチを押します。
    作業の開始時刻を記入してゆきます。
    開始時刻から次の開始時刻までの時間が「要素作業」の時間になります。

    こちらの方がよく使用されています。

  2. 反復観測法
    「要素作業」の始まりでストップウォッチを押して「要素作業」の終わりでストップウォッチを止めて測定します。

です。


■4.レイティング

上で、説明したように、測定値は「作業者の熟練」、「努力」、「作業条件」、「安定度」によって影響されます。

これをそのまま、「標準時間」として使用することはできません。

この観測値を標準の作業時間に換算する必要があります。
これを「レイティング」と呼んでいます。

この係数を「レイティング係数」と呼んでします。
作業速度の変動要因として、熟練、努力、作業条件、安定度の4項目をあげて、6段階にわけて、レイティング係数を決めます。

決めるのは、かなり難しいですね。
観測者の熟練が必要です。

「レイティング係数」がきまると正味作業が決まります。

正味作業時間=観測時間平均値 x (1+レイティング係数)

です。


■5.余裕時間

「ストップウォッチ法」(直接時間分析法)で測定して「レイティング」した値は「正味作業時間」です。
作業の時間です。
「標準時間」ではありません。

作業の時間の中には、作業以外の時間があります。
「余裕時間」です。

「標準時間」は、「正味作業時間」と「余裕時間」の合計になります。


次に「余裕時間」を決めます。

「標準時間」のぺージで「標準時間」の構成を説明しましたが、次のような余裕があります。

  1. 作業余裕
    作業遂行上、仕方なしに発生するものです。

    例えば、
    工具の取り替え、注油、掃除、機械調整などです。

    通常、3〜5%くらい発生しています。

  2. 職場余裕
    その工場や工程の管理のやり方で起きる遅れです。

    例えば、
    朝礼、材料・工具待ち、クレーン待ち、連絡、整頓などです。

    通常、3〜5%くらい発生しています。

  3. 用達余裕
    生理的要求で発生する時間です。

    例えば、
    汗ぬぐい、水飲み、用便などです。

    通常、2〜5%くらい発生しています。

  4. 疲れ余裕
    作業者が疲労を回復するために休止したり、疲労により仕事がおそくなるために余計にかかる時間です。

    例えば、
    喫煙、雑談、休憩などです。

    通常、重作業では30%、中作業20%、軽作業10%くらい発生しています。


通常は「余裕時間」は「余裕率」で示されています。
「%」(パーセント)ですね。

企業や工場、工程によって経験的に決められています。
余裕率は、次のように計算します。

余裕率 = 余裕時間 ÷ 正味時間 X 100

標準時間は、次のようになります。

標準時間=正味作業時間+余裕時間=正味作業時間+(1+余裕率)



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